デザインコンクールで、賞をもらったことは、
自分にとって大きな自信。
くりたさんはどうしてここの専攻を選んだのですか?
もともとデザインには興味があったのですが、デザインの道に進むかどうか迷っていたところ、高校の美術の先生に仁短の生活デザイン専攻(当時は生活環境専攻)を勧められました。そこで、オープンキャンパスなどに参加してみたら、やりたいことがいろいろありそうなので入学を決めました。
入学してみてどうでした?
1年の時は経験のないことばかりだったので、正直戸惑ったこともありましたが、いろいろなことを基礎から学べてよかったと思っています。
くりたさんはがんばっていましたね。デザインコンクールのとき、みんなが帰った後でも教室にひとり残って撮影をしていたので、そんな暗い所で撮影してはダメだとアドバイスをしたら、きちんと撮り直していたことをよく覚えています。
おかげでデザインコンクールになんとか応募でき、賞をいただくこともできました。
一輪挿しを組み合わせた作品でしたね。女性らしいモチーフを採用し、繊細さを表現しながらも斬新な作品だったと思います。
デザインコンクールの前に、企業とのコラボレーション企画があって、それに時間を取られてしまって、慌てて作ったって感じでした。
それでも自分なりに考えた作品でしたね。デザインチェックのときにアドバイスすると、次の時までに確実に積み上げてきました。何度も何度もやり直して取った賞ですから、自信を持ってもいいんじゃないでしょうか。
デザインを通して、
広がる視野と考え方。
デザインの勉強をするようになってから、常に考えたり、いろいろなものを見たりするようになりました。広告もそうだし、ショッピングに行ったときなど、掲示してあるポスターなどもついつい眺めてしまいます。
デザインって、答えのない世界でしょ。そういう世界でがんばってみて、どう感じましたか?
正直、むずかしいと思うことは多いです。でも、作品作りをしているときは大変だなって思うことは多いけど、完成した時はかなりの充実感ですから、その分やりがいを感じます。
私から見た印象としては、もっと積極的に取り組めば、もっともっとできるかなって気がします。自分からやりますってタイプじゃないけど、適当にごまかすということも絶対しなくて、まだまだ余力を残しているって感じですね。
いえ、もういっぱい、いっぱいです(笑)。
卒業制作はおもしろいテーマを選びましたね。順調に進んでいますか?
私は「和」をテーマに、新しい食器のあり方を考えてみたんです。普通、食器は同じ大きさのものを人数分積んで置いておきますよね。私が考えたのは、1人分のお椀や煮物皿、メインの皿など5種類の食器を、1人分の単位できれいに収納できる食器なんです。器の形が違っても、重ねておくときれいに見えるように、3Dプリンタを使って試作しています。
1回の食事でそこそこの栄養とバランスを保つためには、食器の数は目安になります。デザインは形の問題だけでなく、ライフスタイルにも影響を及ぼすものなので、おもしろい着眼点だと思います。
デザインの技術だけでなく、視点とか考え方とか仁短で学んだことは、社会に出ても役に立つと思います。